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京都が世界に誇る無形文化遺産「祇園祭」はいつから?

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古き良き京都の歴史と伝統。今からおよそ1,100年前に始まったとされる「祇園祭」は、今なお現代の人へ京都の文化を伝えてくれています。戦争を経ても途絶えることなく復活したことや迫力満点の催しなどが評価され、今では世界に誇る無形文化遺産としても登録されるまでになりました。この記事では、祇園祭の特徴や歴史、祭りに欠かせないアイテムなどをご紹介します。

京都三大祭のひとつ「祇園祭」とは

祇園祭は、京都の八坂神社で毎年7月1日から31日まで行われるお祭りです。日本の重要無形民俗文化財に登録されるほか、ユネスコ無形文化遺産にも認定されています。

京都の歴史や伝統をモチーフにした豪華なお神輿が巡行する姿は、迫力満点です。

まずはそんな祇園祭の概要からおさらいしていきましょう。

八坂神社の祭礼

そもそも祇園祭は、毎年7月1日の吉符入から31日の疫神社夏越祭まで行われる、八坂神社の祭事です。特に盛り上がるのは「山鉾巡行(やまぼこじゅんこう)」で、四条麩屋町での長刀鉾稚児による「注連縄(しめなわ)切り」や、山鉾が各交差点で方向を変える「辻回し」などが見どころとなっています。

豪華なお神輿は迫力満点

祇園祭で使われるお神輿は「動く美術館」とも呼ばれるほど豪華で、種類豊富なのが特徴です。巡行する鉾のうち最大のものは12トン、組立・巡行・解体には180人以上が関わっています。ここでは、一部のお神輿とその由来を簡単にご紹介します。

名称由来など
長刀鉾疫病邪悪をはらうものとして、もと三条小鍛冶宗近作の長刀が用いられていた。
函谷鉾鶏の声によって孟嘗君が函谷関を脱出できた、という故事にちなんで名付けられた。
菊水鉾町内に古くからあった井戸、菊水井にちなんで名付けられた。
月鉾鉾頭に新月型(みかづき)をつけているので、この名で呼ばれる。
放下鉾鉾の名は真木のなかほどの「天王座」に放下僧の像を祀るのに由来する。
山伏山山に飾る御神体(人形)が山伏の姿をしていることから名づけられた。
孟宗山病身の母を養う孟宗が、雪の中で筍を掘りあてた姿を表現している。
八幡山町内に祀られている八幡宮を山の上に勧請したもの。

祇園祭の歴史

今からおよそ1,100年前、清和天皇の貞観11年には疫病が流行し、庶民の間に病人や死人が多数出ました。 そこで66本の矛を立て、悪疫を封じ込む御霊会を行ったのが祇園祭りのはじまりと伝わっています。それから約1,000弱の月日の中、再三の中断・再興をかさねて現在の形になりました。ここでは、その歴史を大きく2つに分けてご紹介します。

祇園祭りの始まり

祇園祭の始まりは、貞観5年と言われています。応仁の乱などで中止になった歴史があり、この頃の様子はさまざまな美術品に残されています。

年代出来事
貞観5年(863)疫病が流行したために、勅命により神泉苑において御霊会(ごりょうえ)がおこなわれる(三代実録)
応仁元年(1467)応仁の乱により祇園祭が中止
天正19年(1591)豊臣秀吉京中の地子錢を免除する。この頃祇園祭に地之口米の制度(寄町制度)が定められる。この頃の祇園祭の様子が「祇園山王祭礼図屏風」(サントリー美術館蔵)や、「祇園祭礼図屏風」(出光美術館蔵)に描かれる。
明治6年(1873)太陽暦の採用により祭日が7月11日と18日に改められる。 (明治21年より、祭日が17日と24日になる)

世界に誇る文化財になるまで

昭和から現代にかけて、戦争や感染症などさまざまな困難が私たちに襲い掛かりました。

その度に縮小されたり復活したりを繰り返した結果、その歴史と伝統から文化財や世界遺産として登録されました。

年代出来事
昭和18年(1943)太平洋戦争のために以後4年間山鉾の巡行が中止される。
昭和27年(1952)戦前通りに全山鉾28基が巡行する。
昭和37年(1962)祇園祭の29基が重要有形民俗文化財に指定される
昭和54年(1979)祇園祭の山鉾行事が重要無形民俗文化財に指定される。
平成21年(2009)「京都祇園祭山鉾行事」がユネスコ無形文化遺産に登録される。
平成28年(2016)京都祇園祭の山鉾行事を含む全国33件が山・鉾・屋台行事としてユネスコ無形文化遺産に登録される。
令和3年(2021)新型コロナウイルス感染防止の為、山鉾巡行が中止される。 17保存会によって山鉾建てのみ実施。
令和4年(2022)鷹山が再興され、巡行に加わる。

祇園祭はいつから?スケジュールは?

祇園祭は、毎年7月1日から31日まで行われています。この期間を4つに区切り、それぞれの期間の特徴や見どころをご紹介します。

前祭・山鉾巡行まで

14日から16日の宵山までは、各山鉾町ではちょうちんの明かりに照らされた山や鉾を楽しめます。各山鉾では厄除け・病気除けとされるちまきや、学問成就や立身出世などのお守りを購入することも可能です。

前祭・山鉾巡行当日

当日の午前9時、計23基の山鉾が四条烏丸付近を出発します。四条通を東へ向かった後は河原町通を北上し、御池通を西進します。四条麩屋町での長刀鉾稚児による「注連縄(しめなわ)切り」や山鉾が各交差点で方向を変える「辻回し」などが圧巻です。

後祭・山鉾巡行まで

前祭の山鉾巡行の翌日から、大船鉾の鉾建てが始まります。

宵山では露店の出店が規制され、祭り本来の情緒が楽しめるのも魅力です。

後祭・山鉾巡行当日

24日の午前9時半に計11基が烏丸御池を出発し、前祭とは逆向きのコースを辿ります。

大船鉾や逆向きの辻回しなどに注目しましょう。後祭列が復活するまで長らく代わりとなっていた花傘巡行の行列も、後祭列を追うように御池通や河原町通を進みます。こちらも見逃せない、このお祭りの見どころです。

祇園祭に欠かせないアイテムとは

祇園祭に欠かせないアイテムとして、ちまきとお守りが挙げられます。どちらも伝統的な品で、地元民はもちろん観光の方にも人気です。

祇園祭のちまき

祇園祭のちまきは、厄除けのために各山鉾町で売られています。

注目すべきポイントとして、ここで扱う「ちまき」は食べ物ではない点が挙げられます。

4、5の稲藁(いなわら)を軸にして熊笹(くまざさ)の葉で包み、いぐさ(藺草)で巻き上げて作るのが一般的です。

ちなみに、祇園祭のちまきは、八坂神社の祭神・牛頭天王(ごずてんのう)・素戔嗚尊(すさのおのみこと)と牛頭天王を快くもてなした蘇民将来(そみんしょうらい)に由来しています。旅の途中でおもてなしてくれた蘇民将来に対し、お礼として素戔嗚尊が授けたものが元となっていて、厄除け・災難除けとして1年家の門口につるしておくのがおすすめです。

ちなみに、京都の和菓子屋さんでは祇園祭にちなんだ「食べられるちまき」を販売しているお店もあります。ちまきを食べたくなった方は、ぜひそちらをチェックしてみてはいかがでしょうか。

各山鉾のお守り

山鉾の由来によって異なり、厄除け・疫病除けはもちろん不老長寿や商売繁盛、学業成就といったご利益から夫婦和合、迷子防止など少し変わったご利益まで、さまざまなものがあります。ここではご利益を一部ご紹介します。

山鉾ご利益
長刀鉾厄除け・疫病除け
四条傘鉾招福・厄除け
月鉾厄除け・疫病除け
山伏山雷除け・厄除け
岩戸山開運
油天神山学業成就・厄除け
芦刈山夫婦和合・縁結び
木賊山迷子防止・再会
菊水鉾不老長寿・商売繁盛
太子山知恵・学問成就・身代わり
船鉾安産

まとめ

祇園祭とは、毎年7月1日の吉符入から31日の疫神社夏越祭まで行われるお祭りです。豪華なお神輿が巡行する姿は、迫力満点となっています。

ここ数年は新型コロナウイルス感染防止の観点から縮小されていました。しかし、令和5年4月13日に公開された情報によると、コロナ禍以前の本来の形にての執行を目指す方針になったようです。今年からは、元の姿に限りなく近い祇園祭が楽しめるでしょう。

<開催情報>

・お祭り名:祇園祭

・開催予定日:2023年7月1日(土)~31日(月)

・開催時間:各イベントにより異なる

・開催地:八坂神社、京都市内各所

・公式ホームページ:http://www.gionmatsuri.or.jp/

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