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京都の夏、灯篭流しを見に行こう!各所の特色を解説
日本有数の長い伝統を誇り、一大観光地でもある古都・京都。特に迫力ある山鉾巡業で有名な「祇園祭」の開催地としても知られていますが、お盆にも壮観と幻想的な風景を一度に視界に収められる伝統行事「灯篭流し」があることをご存じでしょうか。
今回はこの灯篭流しについて、「精霊流し」との違いや「五山の送り火」との関係、各地の開催情報などをご紹介します。ぜひ一度足を運んでみてください。
先祖の霊を敬う伝統行事「灯篭流し」とは
京都のお盆を代表する風物詩として有名な「灯篭流し」は、数多の灯火が川面に浮かぶ幻想的な風景から、ニュースなど各メディアにも毎年のように取り上げられています。
灯篭流しは「送り火」の一種で、竹や木などで作った枠に紙または布を貼り、火を灯して川へ流すことで、お盆に迎えた先祖の霊が迷わずあの世へ戻れるようにするための儀式です。灯篭の中には、ろうそくと一緒に名前やメッセージを書いた紙を入れて故人を弔います。
形は違いますが目的としては、死者の魂を見送るためにナスなどを使って作られる「精霊馬
」と近いものがあるでしょう。
「精霊流し」とは何が違うの?
同じくお盆の時期に開催される、形式のよく似た儀式として長崎県・佐賀県などには「精霊流し」という文化もあります。死者の魂を見送るという目的は同じですが、こちらは灯篭ではなく「精霊船」と呼ばれる山車のような車を用いること、終着点で解体されることが特徴です。
陸路で精霊船を運び、道中では爆竹を使って賑やかすなど、灯篭流しとはまた違った雰囲気の行事となっています。
また、本記事の後半でもご紹介しますが、宮津の燈籠流しでは精霊船と燈籠がセットで使われ、精霊船が海に浮かべる船となっているのが特徴です。
京都市内・近隣の灯篭流しをご紹介
この記事では「五山の送り火」と同時に開催される「嵐山灯篭流し」をはじめ、「広沢池 遍照寺灯籠流し」や、市外まで足を伸ばして「宮津燈籠流し」まで、京都市近隣で見ることのできる灯篭流しについてご紹介します。
この機会に灯篭流しを見に行きたいとお考えの方は、2023年の開催情報を確認し、ぜひ足を運んでみてください。
五山の送り火と灯篭流し
灯篭流しを語るうえで、五山の送り火の紹介を欠かすことはできません。
五山の送り火と灯篭流しを同時に楽しめるスポットも複数あり、山の斜面に燃える巨大な送り火と灯篭の群れを一度に眺める景色は圧巻です。
五山の送り火は、送り盆の8/16の夜に京都北部を囲む5つの山々に「大文字」「妙法」「船形」「左大文字」「鳥居形」をかたどった松明(送り火)が点火される一大行事です。
これらの送り火は、それぞれが京都市登録無形民俗文化財の指定を受けた、由緒ある伝統行事となっています。また京都市内では、銀閣寺などの由緒ある寺院にて護摩木(送り火の点火に使われる特別な薪)の奉納も受けつけています。
「五山の送り火」の見どころ
当日、20時頃の東山如意ヶ嶽「大文字」の点火を皮切りに、嵯峨鳥居本曼荼羅山「鳥居形」まで上記の順番に5分間隔で点火され、天候にも左右されますが各30分ほどで消火となるのが通例です。
最初の「大」の1画目の長さだけで160mにおよぶ他、3ヶ所目「船形」の横幅は200m以上にもなり、京都市内各所のビューポイントからの眺めは壮観の一言に尽きるといえるでしょう。
この五山の送り火が焚かれるのと同じ夜、先祖の霊を送る灯篭流しが京都市内の各所で開催されます。
<開催情報>
・イベント名:五山の送り火
・開催予定日:2023年8月16日(水)
・開催時間:「大文字」点火開始20:00、以後5分ごとに順番に点火
・開催地:京都市周辺、各山
・公式ホームページ:https://ja.kyoto.travel/event/major/okuribi/understand.php
渡月橋・鳥居形・灯篭の共演「嵐山灯篭流し」
嵐山灯篭流しは昭和24年に戦没者の霊魂を供養するため、灯篭による慰霊を始めたことが始まりとされています。
嵐山灯篭流しは嵐山中ノ島公園で行われ、「五山の送り火」点火の1時間前である19時から21時前後にかけて開催されます。また、渡月橋の下を流れる桂川の中洲にある中ノ島公園からは、五山の送り火のうち5つ目の「鳥、居形」を眺めることができます。
「嵐山灯篭流し」の見どころ
例年の点火時間である20時20分からの30分間は、山の斜面に燃える巨大な送り火と、極楽浄土へ向かうとされる灯篭の群れの両方を視界に収めることができる絶好のチャンスです。一年に一度のこの時間帯を逃さないようにしましょう。
また、20時半までに受付を済ませれば、一般の来場者も灯篭1基を1,000円で購入することができます。地域の方に混ざって先祖の霊や家族の記憶に思いを馳せ、灯篭流しに参加してみるのもおすすめです。
嵐山灯篭流しは、昨年の2022年にイベントの開催制限がなく通常通り開催されているので、2023年の開催も期待が持てそうです。
当日は一帯に交通規制が敷かれるため、アクセス手段としてはJR嵯峨野線「嵯峨嵐山駅」から徒歩で向かうか、最寄りバス停「嵐山公園」に停車する市バス28系統を利用するとよいでしょう。
<開催情報>
・イベント名:嵐山灯篭流し
・開催予定日:2023年8月16日(水)
・開催時間:19:00~21:00
・開催地:嵐山中ノ島公園(京都府京都市右京区嵯峨中ノ島町)
・公式ホームページ:https://ja.kyoto.travel/event/single.php?event_id=5039
彩り豊かな五色灯籠「広沢池 遍照寺灯籠流し」
五山の送り火の同日、右京区にある真言宗御室派・広沢山遍照寺でも灯籠流しが行われます。通常の拝観時間は16時までですが灯籠流しの日は嵐山と同様、五山の送り火に合わせて19~21時まで開放しています。
「遍照寺灯籠流し」の見どころ
遍照寺で開催される灯籠流しでは、嵐山の灯篭よりもカラフルな五色の灯籠が、広沢池一面に広がる様子を楽しめます。点火時間となれば鳥居形の送り火も一望できるため、夕刻の寺院の雰囲気も相まって幻想的な眺めを堪能できるでしょう。
灯籠流しへの参加は、当日まで申込みを受け付けている嵐山とは異なり、前日17時まで遍照寺にての受付となります(2022年の開催情報より)。灯籠は塔婆施餓鬼供養という回向(読経などで冥福を祈ること)を受けたあと、自分の手ではなくお寺の方によって池へ放たれますので、遠くから静かに見守りましょう。
2023年の開催要項や決まりごとについては、五山の送り火も含め、改めて京都観光Navi[5] で掲載される予定です。前もってチェックしておきましょう。
当日は交通規制が敷かれるほか、近隣に駐車場もないため、市バス26・59・10系統「山越」バス停で下車し、徒歩で広沢池へ向かいましょう。バス停からは、西に徒歩7分程度で到着します。
<開催情報>
・イベント名:広沢池 遍照寺灯籠流し
・開催予定日:2023年8月16日(水)
・開催時間:19:00~21:00
・開催地:広沢山遍照寺(京都市右京区嵯峨広沢西裏町14)
・公式ホームページ:http://www.eonet.ne.jp/~henjouji/index.htm
海沿いの個性派「宮津燈籠流し」
宮津燈籠流しは、宮津湾に面した島崎公園で開催される行事です。京都市内からは距離がありますが、見どころの多い送り盆ですので併せてご紹介しましょう。
宮津の灯篭流しでは、ご親族が亡くなり新盆を迎えた家庭からの「精霊船」を、総数1万を超える「追掛燈籠」が囲む形で流されます。しめやかな供養というよりは、お祭りのようににぎやかで、他県の精霊流しにも似た独特なものといえるでしょう。
「宮津燈籠流し」の見どころ
精霊船と燈籠が湾内に浮かぶなかで開催される、海上大花火大会が最大の見せ場となっています。例年、多くの見物客を迎えて開催されていましたが、残念ながら2022年はイベント開催に制限がかかり、燈籠流しと小規模な供養花火の打ち上げのみとなりました。
海の燈籠流しは、河川や境内の池の灯篭(灯籠)流しとはまた違った魅力があります。2023年は従前どおりの開催に期待したいところです。
宮津小学校などを開放した臨時駐車場が用意されていますが、地元の方々も利用するうえ一部通行止め区間なども設けられるため、公共交通機関を利用するのがよいでしょう。
最寄り駅は京都丹後鉄道「宮津駅」となっています。車でお越しの方は、近隣の下天津駅などからパーク&ライドで乗車することができるので、ぜひ検討してみてください。
<開催情報>
・イベント名:宮津燈籠流し
・開催予定日:2023年8月16日(水)
・開催時間(昨年):燈籠流し19:30~、供養花火20:00~
・開催地:島崎公園(京都府宮津市島崎2007-6)
・公式ホームページ:
https://miyazu-cci.or.jp/hanabi (公式)
https://www.amanohashidate.jp/event/toronagashi/ (観光協会)
まとめ
五山送り火の夜に各所で開催される灯篭流しは、京都観光にかかせない夏の風物詩です。先祖の霊を弔うために始まった行事は、流れていく灯火の美しさとノスタルジックな雰囲気で観光客を魅了しています。
お盆の寺社巡りをはじめ京都旅行の際には、市内からの送り火見物だけでなく、灯篭流しの会場にも足を運んでみてはいかがでしょうか。
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